ケシパール三周年を迎えて Category:プロローグ Date:2014年04月29日 3年間は、どんなに苦しくても続けていこう。そう決断して始めた「カフェケシパール」此処が好きで、通ってくださる皆様のおかげで、私たちも楽しみながら、3年という日を迎えることができました。本当にありがとうございます。夫婦ともに脱サラして職と安定を失い、真っ白なところから夫婦でカフェを作りだし、いとなむということは、どういうことだったのか。ケシパールの3年間とは、一体なんだったのか。私達にとって、それはまぎれもなく私達の人生そのものであり、私達の人生を賭けた決断と行動の歴史でありました。何かを得るために、何かを捨てる。何かを得る度に、何かを失う。人生において、そのこぼれ落ちるものの怖さゆえ、先に進めないことが沢山あります。決断とは、責任を伴う覚悟です。決して簡単なものではありません。あの時ああしていなければ。あの時あんなことを思わなければ。そういった後悔をものともしないくらいの強い思いや目的が本当に、本当に、自分の根っこの部分に存在するかどうか。自分との対話を繰り返し繰り返し、何度も何度も同じ答えに行き着いて、それでもまだ繰り返し、繰り返し繰り返し、もう「始めなければ」、先へ進めないと気付いて、私達は「カフェケシパール」を始めました。それだけ自問自答しておきながらも「やっぱりやめておけばよかった」「もうやめてしまおう」と、折れそうになる日も沢山沢山あったように思います。東京からの引越し直前に震災に遭ったとき。準備が思うようにいかず、疲労と不安で喧嘩ばかりしていたとき。お客様が入らず、自分で仕込んだ料理を自分で食べ続けた日々。上手くいかなくて悔しくて泣いた日は、数え切れない程。そんな中で、お客様が帰り際レジで見せてくれる笑顔や、応援してくれる方たちの激励の言葉にどんなに救われたことか。いろんな葛藤や、苦難を乗り越えて、乗り越えて乗り越えて、選んで捨てて、拾い上げて磨いて、そこに「今」があります。そして、私たちが紡いできた「今」が、「カフェケシパール」として、いろいろな人の人生に顔を出します。それは、ある人には、大切な人と過ごす時間となり、ある人には、悲しみを癒す時間となり、ある人には、一人でのんびりと過ごす、リビングのような場所となり。いろいろな人の「今」に、組み込まれてゆく。3年間やったら、うまくいってても、いってなくても、とりあえずお店はたたんで、また何かを始めよう。オープン当初、そしてつい最近まではそんな風に考えていました。でも、ありがたいことに、3年経った「今」その決断は下せませんでした。ケシパールは、もはや私達だけのものでは無いような気がするからです。なのでもう一度、3年間のゴールである今日をスタートにして、しばらく、進んでみようと思います。ケシパールのセカンドステージ。ケシパールを通して、できるだけ沢山の人に、できるだけ多くの安らぎを与えることができたらと、欲は尽きないのですが、私たちにできる事は、悲しいことに、限られています。どんな人に、どんなアプローチで、どれだけのことができるのか。私達なりにもう一度考えて、ゴールデンウィーク後の長いお休みのあとには、また新たな気持ちとケシパールで皆様をお迎えできたらと思います。最後になりましたが、本当に3年間、ケシパール共々ありがとうございました。本当に。本当に。今後ともまだまだ未熟な私達とケシパールをどうぞよろしくお願いします。書ききれないほどの感謝と愛を込めて達也•名都子 [53回]PR